取材:脊椎脊髄センター 整形外科部長 清水純人
新しい低侵襲手術の導入と施行
当地域では脊椎脊髄疾患の患者さまが多く、当センターの手術件数も非常に多いこと(年間250件)は診療科紹介にも記載しました。脊椎脊髄疾患は高齢者ほど増加し、手術もどんどん低侵襲になってきているので手術数が多くなるのも当然です。最近、新しい低侵襲手術を導入、施行していますので御紹介いたします。
腰椎椎間板ヘルニアに対する経皮的内視鏡的椎間板摘出手術(PELD)
腰椎椎間板ヘルニアに対しては当センターでは6年前に鏡視下ヘルニア摘出術(全身麻酔下、2センチメートルの創で、入院期間5日程)を行ってきましたが、PELDでは、局所麻酔下、6ミリメートルの創で、一泊入院でできるようになりました。
全てのヘルニアに適応になるわけではありませんが、レーザー治療と同等の侵襲で、成功率は95パーセント以上です(レーザーは70パーセント)。
非常に画期的な方法で、日本ではまだ5病院ほどしか施行していません。
脊椎圧迫骨折に対する椎体形成術
骨粗鬆症による背骨の骨折で、高齢者の急性腰痛の7割を占めるほど多い骨折です。
通常の治療法はコルセットを作り安静が原則ですが、太目の針で骨セメントを詰める椎体形成術という治療法が最近行われるようになってきています。局所麻酔20分程で済み、セメントは即座に固まりますので痛みもすぐとれます。
日帰りも可能ですが普通は一泊入院としています。千葉県では当センターも含め5病院ほどしか施行していません。
これからも、低侵襲で安全な脊椎脊髄手術を追及していきたいと思っています。何かご不明の点がございましたら、当センター脊椎脊髄センター外来に遠慮なくお電話頂けると(平日午後3時から午後4時まで)幸いです。
PELD
椎体形成術